運動ができる子とできない子の違い

いわゆる“運動神経がいい”子と“運動神経がよくない”子の違いは何ですか?とか
うちの子、運動ができるようにしたいんですけどどうしたらいいですか?とか
このような質問を多く受けます。

答えは非常にシンプルです。
「運動をしているかどうか」です。

運動が苦手な子のサイクルと運動が得意な子のサイクル

運動が苦手な子はなぜ苦手かというと、運動をしていないからです。
運動をしない(外で遊ばない、いろいろな運動を経験していない)から運動が苦手なのです。
簡単ですよね。

では、なぜ運動をしないのでしょう。
それは、「運動」に対して「嫌い」という思いがあったり、「劣等感」を感じていたりするからだと考えられます。

では、何がきっかけで「嫌い」「劣等感」が生まれるかというと、運動の達成経験やそれに対する評価です。

「できなかった」経験
「誰かと比較して、自分が劣っていると感じた」経験
「誰かに、できないという評価をされた」経験

というものでしょうか。

当然、これからの経験を経て、無能感、劣等感を感じ、運動嫌いになれば、運動をする機会が減少し、運動能力が低下していくのです。
現代は屋内遊び(テレビゲーム、youtubeなど)に楽しいものがたくさんありますから…

と、考えると、運動能力を向上させるためにはその逆を行えばいいのです。

つまり「運動をする機会を拡大させること」が大切であり、
そのためには、運動に対して「積極的」で「好き」でなければいけません。
その感情を持たせるためには、「達成経験」つまり「できた経験」や「できるかも経験」を味わわせてあげることが極めて重要です。
この「できた経験」は本当に小さなことで構わないのです。

ただ、指導者や先生、親がこの「小さなできた」を見逃してしまったり、「小さなできた」を「そんなの当たり前で褒めるまでもない」としてしまうと子供たちの運動に対する有能感は高まりません。

SOBUスポーツスクールの指導方針

SOBUスポーツスクールでは、もちろん「できる」ためにコツやポイントを指導することもあります。
「できる」ことで「運動の楽しさ」は自ずと高まっていくからです。

ただ、「できる」ことにあまりにもフォーカスしすぎると、楽しくなくなってしまったり、できないことがよくないことだと捉え始める雰囲気になります。

ですから、私どもは2つの指導方針をもっています
①『楽しく!』
②『リアルタイムでの価値づけ』

とにかく小さなことでも「できた!」を見つけ、それをその場で価値づけてあげることです。
すると子供たちは「あぁこれでいいんだ!」と思うと同時に、「私、できるかも!」という思いが高まっていきます。
結果的に「できなかった」ことでも、その中には、できたこと、成長している部分がきっと存在しているはずです。

スクールでの経験が“きっかけ”となって、家庭や幼稚園・小学校で、遊びの延長で縄跳びや鉄棒を取り組むようになったり、体を動かすことの楽しさから外遊びをするようになってくれることが私たちの1番の願いです。

ありがたいことに、SOBUスポーツスクールに通ってくれている子供たちは、スクール時間の「できた!」もありますが、来校した時に「先生、昨日できたんだよ!」と教えてくれる子もとても多いです。

親御さんからも「最近、家でやるようになって・・・」とか「幼稚園でやたらとやっているみたいで・・・」というようなお話をたくさん聞くことができます。

子供たちの「やる気」や「自信」っていうのは、私たちが教えるよりも何倍も大きなパワーを持っています。
そして、教えられてできたことよりも、自分でできたことの方が何倍も価値があります。

運動ができることも大事かもしれませんが、それ以上に、自己肯定感や自伸力、やる気、根気などの方が、未来の子供達には重要です。

自伸(じしん)力を養う

『自伸(じしん)力』なんていう言葉は存在しません。しかし、私は教育や子育てを行う上ですごく大事なキーワードとしていつも心に留めています。 文字通り「自ら伸びるチ…

ちなみに学習でも同じ

この話は、学習でも全く同じことが言えると思っています。

もちろん学習(解き方や学習の仕方)にも、コツやポイントがあります。
でも、いくらそれを得たとしても、自分で学習しようとする前向きな心や習慣がなければ伸びていきません。

だからこそ、学習に対して好意的な気持ちを養っていくことがまずは大切です。

ただ、運動に比べて、学習に対して好意的な気持ちをもってもらうのは難しさを感じることもあります。
とはいえ、私どもスクールでは、「スタディタイム」を楽しみにしている子、「スタディタイム」が終わってもまだ勉強をしたいと申し出る子も多くいます。

これも「できた!」「分かった!」の経験が大切だと感じます。
だからこそ、指導者に求められることは、教えることよりも、どれだけ適切な課題を提供できるかだと思います。

“少しだけ”難しい課題に取り組み、それを乗り越えた経験を積み重ねていくことが大切だと思います。

また、その「好意的な気持ち」をも凌駕する、学習習慣が私どものスクールにはあります。
「好きとか嫌いとか関係なく、学習することが当たり前」という環境を、1年生から長い時間を掛けて少しずつ身につけていきます。
大きくなってからいきなり学習しなさい、と言ってもそれはなかなか難しいです。
中学生になってからなんてそれはそれは大変なことです。

ですから学習にたしてもいいサイクルを生み出せるよう、「できた!分かった!」をたくさん味わわせ、それをたくさん価値づけていくことを日々大切にしています。

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