運動・スポーツで身に付く能力

私たちのスクールが意図的に「運動遊びやスポーツ」のプログラムを組み込んでいるのには、大きな理由があります。
それは、運動・スポーツが子供たちの成長に大きな好影響を及ぼすからです。
逆にいえば、このような能力を子供のうちに伸ばし、身につけていかないと大人になってから苦労するのではないかとも考えています。
幼児期運動指針(文科省)では幼児期の運動の意義として以下の5つが述べられています。
①体力・運動能力の向上
これは言うまでもありません。
ただ、これは副産物だと思っています。
なぜなら、「別に運動神経悪くても将来困らない!」と言う声がありますし、その通りだとおもいます。
運動能力が高いに越したことはありませんが、アスリートを育成するのが目的ではありません。
②健康的な体の育成
これは重要ですね。
幼児期に適切な運動をすると、丈夫でバランスのとれた体を育みやすくなります。
特に運動習慣を身に付けると、身体の諸機能における発達が促されることにより、生涯にわたる健康的で活動的な生活習慣の形成にも役立つ可能性が高く、肥満や痩身を防ぐ効果もあり、幼児期だけでなく、成人後も生活習慣病になる危険性は低くなると考えられています。また、体調不良を防ぎ、身体的にも精神的にも疲労感を残さない効果があると考えられています。
③意欲的な心の育成
大事なのはここからです。
運動は、心の発達に大きく寄与しています。
幼児にとって体を動かす遊びなど、思い切り伸び伸びと動くことは、健やかな心の育ちも促す効果があります。
また、(運動)遊びから得られる成功体験によって育まれる意欲や有能感は、体を活発に動かす機会を増大させるとともに、何事にも意欲的に取り組む態度を養います。
現代では、「すぐにあきらめてしまう」「面倒くさいと逃げてしまう」「頑張りきれない」「失敗するとしばらく立ち直れない」「再チャレンジできない」など心の面の課題を多く耳にしますし、親御さんからそのような相談も多くされます。
私たちのスクールでも、とにかく有能感を味わわせる活動をメインとしていますし、それにより、学習やそれ以外の活動もさらに意欲的に取り組める子が増えています。
④社会適応力の発達
運動遊びにおいては、集団で遊ぶことが増えてきます。その中でルールを守り、自己を抑制し、コミュニケーションを取り合いながら、協調する社会性を養うことができます。
チームスポーツを頑張ってきた学生が、就職の時に有利に働くのはこのような部分からではないでしょうか。
学力よりも重要だと捉えている人も多くいます。
小さな頃から、折り合いをつけたり、相談したりする習慣を身につけていきたいものです。
時には、自分のやりたいことを我慢することもありますが、それも大切な経験です。
低学年も高学年もみんなが楽しめるルールを考えることも大事ですね。
⑤認知的能力の発達
運動を行うときは状況判断から運動の実行まで、脳の多くの領域を使用します。
すばやい方向転換などの敏捷な身のこなしや状況判断・予測などの思考判断を要する全身運動は、脳の運動制御機能や知的機能の発達促進に有効であると考えられています。
そのため、リハビリや認知症予防にも「運動療法」があります。
幼児が自分たちの遊びに合わせてルールを変化させたり、新しい遊び方を創り出したりするなど、遊びを質的に変化させていこうとすることは、豊かな創造力も育むことにもつながります。
遊べない現代
しかしながら、現代のこどもたちはさまざまな理由で、遊ぶことができません。
また別記事で書いてきたいと思いますが、キーワードだけ。
・『気候』(これは先日の記事で少し述べました。)
・『3つの「間」』