スポーツスクールに来た子が言ったこと〜本当の“良い”指導者とは…
先日のスクールの際にスクール生が、来るなり「そぶ先生、前回りができるようになったよ!」と鉄棒を見せてくれました。
先週のスクールではできていなかった前回りができるようになっていたのです。
「どうしてできるようになったの?」と聞くと、園にある鉄棒で練習したとのこと。
どんな競技であろうと、技をできるようにしたり、上手になったりするには、コツがあります。
“良い”指導者は、そのコツを掴ませたり、できるようにするための練習アイディアがあるものです。
だから、その“良い”指導者に教えてもらえると、今まであんなに練習してもできなかったことが、あっという間にできるようになったりします。
でも、私たちが意識しているのはそこではありません。
「そこ」とは、「今、その技をできるようになるためにコツを伝授する」こと。
もちろん、それをして、子供たちに「できた!」を味わわせることもしています。
でも、それよりもっと大事なのは、子供たちが自分でできようになるために前進する力を与えたり、前進する方向性を示したり、前進するきっかけを与えたりすることです。
「自分の力でできた!」「努力してできた!」という経験は、私ができるようにさせてあげたことの何十倍も何百倍も価値があるのです。
私たちはトップアスリートを育成しているわけではありません。
目の前にいる子たちが、素晴らしい未来を歩めるようなサポートをしているのです。
もちろんスポーツの道に進んでいく子もいるでしょう。
ただ、スポーツを極めていく子も、スポーツ以外の分野で生きていく子も、自分で自分を成長させていく力は必須です。
その力の土台には、「ちょっと練習すればできるかも」と思わせる声掛け、「私ならできるかも」と思える自己肯定感、「できなくてももうちょっと頑張ってみよう」と思えるあきらめない心や粘り強さなど、人間的な成長が欠かせません。
本当の“良い”指導者とは何でしょう。
それは、花を咲かせられる指導者ではなく、子供に種を蒔き、適切な肥料を与え、適度な水を上げ、子供自身の力で花を咲かせるサポートができる指導者なのでしょう。
きっとそんな指導者(先生・コーチ・親)の元にいる子供たちは皆イキイキとし、素晴らしい未来を作っていくのでしょう。