異常気象による子供たちへの悪影響

猛暑・大雨など異常気象が通常気象になっています。
私は教育者の一人でもありますので、この異常気象を子供たちへの影響という観点で見てみると、すごく大きな問題であり、すごく危惧していることでもあります。
猛暑により、外出することすら危険で、エアコンのついた室内での生活を推奨される時代となっています。
つまり、子供たちが外で体を動かして遊ぶなんていうことはもっての外ということです。
しかもそれが、数日間ではなく、数ヶ月に及ぶのです。
今年は6月末からはじまり、きっと9月もこんな調子でしょう。
もしかしたら10月も・・・。
10月の運動会でも、熱中症対策は必須です。
運動能力の低下はもう当然の話
ということは、運動能力が低下するのは必然です。
子供たちの運動機会が減るのですから当然ですよね。
運動=スポーツではありません。
外で思いっきり走り回ったり、木登りしたり、遊具を使って遊んだり、鬼ごっこしたり・・・。
昔だったら日常生活において当たり前だった、体を動かした遊びが運動です。
体を動かした遊びが失われたら、運動能力は当然低下します。
遊びの屋内化
外で遊べないから子供たちは屋内で遊ぶようになります。
屋内ってどこをイメージしますか?
当然まずイメージするのは家の中です。
きっと現代の屋内遊びの筆頭はテレビゲームでしょう。
それからyou tubeもあります。
楽しいですから当然です。
遊ぶ先がそこになるのはもう止められないでしょう。
異常気象でなくても、テレビゲームやタブレットなど、手軽に楽しめるものが増えている現代。
わざわざ外に行かなくても、わざわざ公園にいかなくても、遊べるものが近くにある現代。
それに異常気象が拍車を掛けて、遊びの屋内化が進んでいると言えます。
運動能力の低下などもうどうでもいい。危険なのは・・・
スポーツスクールを運営している私が言うのは少し問題かもしれませんが、
別に運動能力が低いくらいどうでもいいです。
運動能力が低くても生きていけます。
スポーツ選手になるわけでもないなら、優先順位は低いでしょう。
でも、運動機会が減ることの大きな弊害はもっと他のところにあります。
それを挙げてみます。
健康への影響
適度な運動は丈夫な体をつくるのには必須です。
成長期の子供時代の運動はその後一生の健康に大きな影響をもたらします。
小学・中学時代の運動量は、将来の健康寿命に大きな影響を与えるという研究もあります。
特に女性は、この頃の運動量が骨密度などに影響を与えるとも言われています。
運動能力は別にいいけれども、健康問題なると話は変わってきますね。
社会性の欠如・コミュニケーション能力の低下
体を動かした遊びの中では、ルールがあることが多いです。
また、チームに分かれて行うこともあります。
うまくいかなくてけんかみたいになることもあるでしょう。
鬼ごっこや缶蹴りで鬼に捕まってしまったり、勝敗がついたりすることもあるでしょう。
ルールを守らない子が出てきたり、自分のことしか考えない子が出てきたりもします。
自分ばかり捕まって、と卑屈になってそれを怒りや悲しみで表現する子もでてきます。
いわゆる、ジャイアンのような子、スネ夫のような子、のび太のような子がいるのが社会です。
つまり、自分の思い通りにはいかないのです。
それが自然発生するのが運動遊びなのです。
それら全てが成長において大事な経験です。
大人になって社会に出て働いたり、地域の活動に参加したりすればそのようなことは日常茶飯事です。
チームで何かに取り組んだり、お客さんや取引先の人と関わったり。
そのお客さんや取引先の人が自分勝手な人だった時に、怒りをぶつけてしまうのか、上手く伝えられるのか。
仕事でうまく行かない時に、どうやって現状を変えようと考えるのか、嫌だからやめようとするのか。
こういうことを子供時代から少しずつ経験を通して学んでいく必要があります。
テレビゲームではなかなか学ぶことができないでしょう。
嫌なら消せばいい。
怒ってコントローラーを投げても、コントローラーは怒らない。
オンライン上の相手(テレビ)に向かって暴言を吐いても、テレビは言い返さない。
そもそもテレビやタブレットに表情はないし、それを読み取ることもない。
ルールは自分にしかないのです。
自分本位に生きていても誰も怒ったり叱ったりしてくれません。
依存の問題
ご存知の通り、スマホやテレビゲームには依存の課題がつきまといます。
あくまでも子供ですから、大人がきちんと管理してあげないと気づいたら抜け出せなくなります。
睡眠の質の低下
適度な運動は睡眠の質を上げます。
疲れていない子といい睡眠につながりません。
いい睡眠がとれないと健康問題だけでなくあらゆることに悪影響が出てきます。
不登校の原因が睡眠にあることも多いのです。
学習能力の低下
睡眠は学習に大きくつながっています。
運動は脳へのよりよい刺激にもなります。
意欲の低下
現代の子供たちは「めんどくさい」「やる気ない」などの言葉をよく発して、意欲の低下が気になります。
「頑張る」ことができなくなってきています。
運動にはこのようなことを身につけるよさがあります。
鉄棒や縄跳び、跳び箱、うんてい、竹馬など、「頑張ったらできた!」という経験が子供たちの心を作っていきます。
大きなことでなくてもいいのです。
小さなできた!を経験していくことが大事です。
この心が、運動のみならず学習や生活につながってくるのです。
イキイキとしている子、はつらつとしている子になってほしいものです。
SOBU ACADEMYでは
ということで、運動の必要性、運動機会が減ることの危険性がわかったと思います。
私は、子供たちの健やかな心身の成長のために運動機会を十分に確保していきたいと思います。
そのために、アミューズ豊田のアリーナを活用して、天候に左右されない運動機会を提供しています。
数年後、数十年後にその価値に気づくかもしれませんが、今目の前の子供たちを大切にして活動していきます。