ただいま〜!!ランドセル投げ捨てて…

「ただいま〜」と「行ってきま〜す」がセットだった子ども時代を過ごした方もいるのではないでしょうか。
今日は帰ったらどこに遊びに行こうか。
誰と遊びに行こうか。
そんなことばかり考えて学校生活を送っていた人もいるのではないでしょうか。
私はサッカー少年だったので、帰ったらランドセルとサッカーボールを入れ替えて、かつては開かれていた(入りたい放題だった)近所の保育園の園庭で日が暮れるまでサッカーをしていました。
今でもそういう環境の子供たちもいるかもしれませんが、あれから30年経ち生活環境・社会環境も大きく変わりました。
よく言われるのが『3つの「間」がなくなった』ということでしょう。
①空間 つまり遊ぶ場所です。公園があってもボール遊びが禁止なところもあるでしょう。私が遊び場として使っていた教育施設も安易に入る(使う)ことが難しくなりました。
②時間 そもそも遊ぶ時間がない子も多いです。帰ったらすぐ習いごとに行く。今日は夕方から習い事だからそれまでに宿題を終わらせないといけないなど、習い事の普及により、自由に遊び時間が制約されているのも事実です。
③仲間 昔に比べて横の関係が希薄になりました。昔であれば特に約束などしなくても公園や神社に行けば年齢関係なく近所の友達がいて、みんなで集団遊びをしたものです。
それに加えて、テレビゲームが普及したことで遊びの概念までも変えてしまっています。
私が子供の頃にはゲームがありましたが、友達の家に集まって大騒ぎしながらゲームをやって、その後公園で野球!なんてこともしていました。
ただゲームが小型化し携帯できるようになった上、オンラインゲームができるようになって、別に友達の家に集まらなくても家にいながらできるようになってしまいました。
今まで、「放課後」「遊び」というものから自然と身につけてきた、社会性を身につける場がなくなってしまっています。
自分達でルールを作って遊んだり、遊びを生み出したり、時には喧嘩をしたり、怒ったり泣いたり慰めたり仲裁したり、異学年の子たちとのかかわりから上下関係というものを知ったり、理不尽さを知ったり・・・。
大人の媒介しない子供のだけの環境で、良いことも悪いことも経験しながら社会に出る準備をする、すごく重要な時間であったのです。
しかしながら現代において、このような環境が失われていったからといって、それを同じように取り戻すのは難しいでしょう。
親御さんの働く環境も変化し、共働き世帯が増え、学童(児童クラブ)というものも当然のものとなりました。つまり家にすら帰らない子もいるわけです。
犯罪についても敏感になっていて子供(たち)だけで遊びに行かせることも心配でしょう。
ですから私たちは、この3つの「間」を現代においても維持できる環境をできるかぎり提供したいと思っています。
SOBU ACADEMY(アフタースクール)に通っている子供たちは、今日も、「ただいま〜」と帰ってくるなりランドセルをロッカーに入れ、「遊んできまーす!」とアリーナに駆け出していきました。
スタッフは基本的に見守っています。
遊びを自分達で決める姿。やりたい遊びが違って相談する姿。別々に遊ぶのも一つの選択です。
異学年ですから、低学年は高学年のすごさを実感したり、高学年は低学年に配慮したりしながら…でも時には遠慮せず思いっきりやることもあるでしょう。
楽しいことも、悲しくなってしまうこともどちらもありますが、それも経験してたくましくなっていきます。
時間になれば戻ってきて、すっと切り替えてスタディタイムに入ります。
その切り替えもここでは学ぶことです。
でもこれを家庭でやるのはなかなか大変なことですよね。
ここでは仲間がいるから、勉強も頑張れるのです。
環境が人をつくる。それがここにはあります。