間接的な教育・子育て

子供にどんな声掛けしたら良いのか。
子供にどうやって接したら良いのか。
子供にどんな支援をしたらできるようになるのか。

先生やパパママはみんな一生懸命考えています。
子供に“直接”かかわることはもちろん重要です。

ただ、教育や子育ては、このような“直接的”なものだけではありません。
むしろ“間接的”なかかわりもたくさんありますし、その間接的なかかわりもとても重要です。

では、具体的にどんなものがあるのでしょうか。

間接的な教育・子育てとは

子供に直接声を掛けなくとも教育はできます。

一番わかりやすいものが『環境』です。

みなさん「窓割れ理論」をご存知でしょうか。
1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。
かつて、犯罪多発都市ニューヨーク市で、1994年以降、当時のジュリアーニ市長が、この「割れ窓理論」から、割れ窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化した結果、犯罪が大幅に減少したと言われています。

学校や家庭でもそうです。
学校では、子どもがいなくなった放課後に、教室を掃除し、掲示物を整え、黒板をきれいにし、机を整頓している先生が多くいます。これは非常に重要なものです。子どもへ直接働きかけていない行為ですが、非常に重要な“教育”なのです。
逆に、ゴミがたくさん落ちていてそれを放置している教室、掲示物がはがれたままになっている教室で過ごしている子どもたちはどんなに良い直接的な教育をしても、効果が薄まってしまいます。

家庭でも同様です。
・子どもが学校に行った後に机の上をきれいにしてあげる。
・子どもが寝静まった後に机の上をきれいにしてあげる。
・勉強する机(リビングテーブルも同様)はきれいに整った場所にしてあげる。
などが挙げられるでしょう。

そんなこと、子供自身でできるようになってほしい!と思うかもしれません。
もちろんそれに越したことはないですが、できていないことに対して「やりなさい!」と叱るのは逆効果になる可能性があります。パパママも気持ち良くありませんし、疲れます…。
それならば、きれいな方がいいことは伝えつつ、パッとやってあげればいいのです。
お仕事から帰ってきて時間がなければ、時間がある時でいいのです。
それも十分素晴らしい育児なのです!

小さな子供たちは子供で伝えても上手く理解してもらえませんよね。
「なんでわかってくれないの!」って言っても、子供ですからわからないのです。

だからこそ、環境設定が重要です。
その道のプロが幼稚園の先生だと私は思います。
いろいろな道具や遊び場を設定します。
これもやみくもに設定するのではなく、全てに意図があります。
当然、意図通りにいかないこともありますが、意図して環境を設定してあげることは間接的な教育の最たる例ですね。

育児になかなか参加できないパパママへ

このように考えると、教育・育児は幅広いですよね。

私のところにお仕事が忙しくて育児に参加できないパパママが相談に来たりします。
その時によくお伝えするのが、

「奥様(旦那様)を笑顔にしてあげてください。それが最大の育児です」

という言葉です。

子供たちにとって最も大事なのはパパママの笑顔です。

「ママを笑顔にすること」が結果的に子供のためになっているのです。
「パパのお仕事の頑張りをちょっと褒めること」が結果的に子供のためになっているのです。

だって、「パパは何にもやってくれないね〜」と子供の前で言って子供のために良い教育になるでしょうか。
「パパは何もやってくれない」⇨「パパへの信頼感が低下」⇨「パパの言うことを聞かなくなる」⇨「結局ママの負担が増える」「教育することが増える」「子育ての悩みが増える」
結局、負のサイクルになるのです。

寝静まった後にできること
子どもがいない時にできること
考えてみてはいかがでしょうか。

“教える”時代 → “学ぶ”時代 へ

先生の役割は“教える”ことであるのは周知の事実でしょう。
『教師』と言われる職ですから、教えることのプロでなければなりません。

しかし、時代は移り変わり、教育は大きな転換期を迎えています。

それは、「教える」から「学ぶ」への「パラダイムの転換」とも言えます。

教師は何をどのように「教える」かという「教授」を問題とするのではなく、子どもが、何をどのように「学ぶ」かという「学習」を問題としていかなければならないということです。
今までは、「分数の足し算」を教師は『どのように教えたら』子供たちは理解してくれるかと先生は一生懸命考えていたのですが、そうではなくて、子供たちは『どのように学んだら』理解してくれるかと、学び方を一生懸命考えなければいけません。
つまり、教師の視点を「教師」から「子ども」へ、「教授法」から「学習法」へと転換するということです。

パパママも同様です。
勉強だけではなく、スポーツも、礼儀も、同じです。
「できるようになるためにどうやって教えるか、伝えるか」も重要ですが、例えば『どこでで習わせるか』とか『パパママがどのような姿を見せていくか』が重要なのです。

だからこそ、教える技術がなくても大丈夫だとも言えます!
サッカー未経験者のパパママでも、我が子にあったチームを提供したり、努力することに前向きにな姿をパパママの姿で見せていったりすることで、子供は成長していくことでしょう。

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