ブームを呼ぶ トレンドを作る

ブーム→ある物事が急激に人気を呼び、熱狂的にもてはやされること
トレンド→潮流、流行のこと

どちらも「一時的な流行」とでも言いましょうか。

私だったら、小学生時代にたまごっちやハイパーヨーヨーが流行しました…。
あと、デジモンも流行ったな〜

センスのいい指導者は意図的にブームを作り出す

そんな話はさておき、センス良い指導者(教員や親)には、このブームを呼ぶ力がある(意図的にブームを作り出すことができる)のです。

今、うちのクラスでこれが流行ってるんだよね〜っていうものが子供ながらにあるものです。
よくあるのがゲームです。
私の時はマジカルバナナでした。

ただ、上手い先生や親御さんは、ドッジボールを流行らせたり、鉄棒を流行らせたり、都道府県暗記(クイズ)を流行らせたり、漢字を流行らせたり、サッカーを流行らせたり、自主学習ノートを流行らせたりしているのです。

「流行」ですから「一時的」でOKなのです。
でもその「一時的な流行」がすごく大切なのです。
子供ですからその一時的な流行に、一時的にのめり込み、ぐんと能力を高めてしまうのです。
意外とその「一時的」がプラスに働き、子供たちにとっては飽きることなく(正確にいうと飽きても次から次へと新しいものが出てくる)取り組むことができるのです。

ブームの作り方

ブームの作り方はいろいろあります。

一番簡単なのが、ご褒美を設定することです。
専門用語では「外発的動機付け」と言います。

世の中にはこの方法が嫌いだったり、悪い指導だと言う人もいます。
でも私は取り組むための入り口としては悪くない方法だと感じています。

学校であれば、「賞状をあげるよ」とか「シールをあげるよ」とかもありますね。
「宿題なし券」とか「給食おかわり券」とはもやっている先生もいるのでは?
反対意見もありますが、私は楽しくて好きですけどね。

真面目な話になりますが、「外発的動機付け」の反対は「内発的動機付け」と言います。

外発的動機付けとは

外発的動機づけとは、報酬や評価、罰則や懲罰といった、外部からの働きかけによる動機づけを意味する言葉です。

よって、ニンジン作戦はこの外発的動機づけに当たります。
「ママに叱られるからやる」これも、実は外発的動機づけです。

「報酬が欲しい」「罰を受けたくない」などは、ほとんどの人のモチベーションにつながるため、短期間で効果が表れます。

内発的動機付けとは

内発的動機づけとは、物事に対する強い興味や探求心など、人の内面的な要因によって生まれる動機づけを意味する言葉です。

好きでやっている趣味は内発的動機づけです。やりがいや達成感などもそうです。

それぞれメリット・デメリットがある

どちらにもデメリットがあります

ということは、状況に応じて使い分けていく必要があります。
それではそれぞれのメリット・デメリットを見ていきます。

外発的動機づけ

【メリット】
○短期間で効果が現れる
○ほとんどの子に効果が出る

【デメリット】
▲効果が長続きしない
▲必要以上の結果を得られにくい
▲コストがかかる
▲自主性や創造性を妨げる可能性がある
▲そのものの価値や貢献度を高めにくい

内発的動機づけ

【メリット】
○高い集中力を発揮しやすい
○進んで行動し、学ぼうとする
○期待していた以上の結果を得られることがある
○創造力が高まる
○コストがかからない
○効果が持続しやすい

【デメリット】
▲時間がかかる
▲子供によって動機づけの要素が千差万別

内発的動機づけの方が良い方法に見えますが、
外発的動機づけにもメリットがあるため、効果的に使っていくことが良いでしょう。

エンハンシング効果とアンダーマイニング効果

外発的動機づけがきっかけで、内発的動機づけが高まる現象をエンハンシング効果と言います。
「そんなことあるの?」「よく分からない」という人のために具体的な例を見てみましょう。

M美さん(小学校3年生)ママの場合

 ピアノのレッスンにどうしても行きたがらないM美。そぶ先生の言う通り「1ヶ月頑張ったら、あなたの好きなキャラクターの文房具を買ってあげるわ」と外発的動機づけでピアノのレッスンに何とか行かせました。ピアノの先生には、M美のこととにかく褒めてくださいとお願いし、私も帰ってきたらとにかく褒めました。1か月、2か月…と大好きな文房具をゲットしていくM美。これで大丈夫なのかなと思ったのですが、だんだんと変化が出てきました。初めて3か月目のある日、M美はレッスン終わりに「ママ、弾けるようになったよ!聞いて!」と言います。ついには、6か月目「ママ、ピアノ楽しい!」と言うようになりました。そぶ先生ありがとうございます!ちなみに、ご褒美の文房具は7か月目からあげていません。というか、M美が何も言わなくなりました。これは内緒です。

S太郎くん(小学校4年生)ママの場合

 漢字がとっても苦手なS太郎。何とかしたいと思っていましたが、私は仕事が忙しく、一緒に付いて教えてあげる時間は取れません。2年生の時にそぶ先生に相談して、今やっている学校の宿題に注目することにしました。学校では漢字やひらがなを84字書く宿題が時々出るのですが、我が家ではこれを土日を含めて毎日やることにしました。当然、最初はS太郎は嫌々でしたが、S太郎と相談して我が家では1週間毎日やったら100円というお小遣い制を採用しました。外発的動機づけのデメリットで、成長するにつれてだんだん100円ではやらなくなってその都度そぶ先生と相談をしながら続けていきました。
 結果的に今4年生ですが、毎日やることが当たり前になっています。4年生になってからは学校の漢字テストは毎回満点。先生にも友達にも認められることが多いようで自分の取り柄と認識しているようです。学習習慣も身に付き、自分から学習に取り組んでくれるのでそれも働く私にとってはありがたいです。

どちらも、「褒められたい」「ご褒美がほしい」といった理由で、習い事に行ったり勉強をしたりしていた子が、徐々にその行動自体に楽しさややりがいを感じるようになっていった例です。
時間がかかりますが、外発的動機づけから内発的動機づけにつなげていくことも一つの方法です。

この2人のママが上手くいったのにはある秘密があります。
それは、上手に「褒めた」ことです。

これについては、別記事で説明することにします。

エンハンシング効果とは全く対照的なのが、アンダーマイニング効果です。
アンダーマイニング効果とは、内発的動機付けされている事柄が、外発的動機付けに書き換えられてしまうことです。

サッカーが大好きな子に「今日の試合で点を決めたらご褒美をあげる」と予告し、点を決めた子に実際にご褒美を与えます。すると、その子は、その後、ご褒美がもらえない場では、以前は抱いていた「サッカーが好き」という内発的動機が低下してしまいます。

つまり、安易に、褒める=ご褒美をあげる とすることは危険だということです。

ブームを作る方法は他にもある

ご褒美をあげるという方法を専門的な言葉で説明してきましたが、他にも方法は無限にあります。
大切なのは、目の前の子供(たち)がどうしたらやる気になるか、子供たちの目線に立つことです。
例えば、競争することが効果的な子もいるでしょう。
「じゃあママと競争ね!」と都道府県を覚える競争をしてもいいでしょう。
(もちろん上手く手加減してあげてくださいね〜演技力が大切です!)

逆に競争になると急にやる気をなくす子もいます。

新しいものにすごく興味を示す子もいます。

例えば最近では都道府県を覚えるための地図が100円ショップでも売られています。
中でもお風呂に貼ることができるものもあります。
それをお風呂に貼って、毎日1個ずつ覚えるのもいいでしょう。
そもそも「覚える」ということに抵抗感がある子には
旅行の経験と都道府県をリンクさせて話したり、
サッカーが好きな子にはJリーグチームと都道府県をリンクさせて話したり
テーマパークと、ゆるキャラと、特産物と…そこが大人の腕の見せ所です。
そこが親の腕の見せ所です。我が子の興味があることを一番知っているのは間違いなく親御さんです。

最近ではゲームの桃鉄(桃太郎電鉄)を宿題で出している学校もあるとか。
私も大好きですが、桃鉄をやりこめば、都道府県どころの話ではないですよね。
主要都市や特産物なども同時に覚えることができますね。

先生たちは学校全体でブームも作れる

先生たちが手を組めば学校全体でブームをつくることも簡単です。

私は体育主任時代に「○○週間」「〇〇月間」というものを作ったことがあります。

昇降口に大きな横断幕(拡大コピー)を貼って盛り上げ、ゲーム形式で取り組めるカードを用意したり、用具を工夫して運動場で常時使えるようにしたり…

初日に数人だった児童も、日に日に増えていって、気づいたらブームになっているのです。

これは体育に限らず、どの教科でもできることではないでしょうか。

SOBU ACADEMYでもよく聞かれる話

SOBU ACADEMYでも親御さんからよく話をされます。

「先生、急に家で逆立ちやるようになったんです。」
「先生、フラフープ買ってって言い出して…」
「あれ以来、家で毎日縄跳びやってます。」
「最近、毎日のように国旗の話をされます」
「あれだけ勉強しなかった子が、自分から漢字練習するようになったんですけど、先生どんな手を使ったんですか?」

簡単なんですよ。
「経験させて、ちょっとした成長を価値づけてあげる」これが基本です。
子供たちは、楽しいことはやる!楽しくないことはやらない!

ですから、楽しい!と思わせることが大事です。

もう少し種明かしすると、その子にとってほんの少しだけ難しい課題を設定して、それをクリアできる手助けをしてクリアさせてあげる。そこで、ここぞとばかりに褒めちぎる!すると子供は、もっとやってみたい!もっとできるようになりたい!と思うものです。

そして私はそっと言うのです。
「家でもやってみたら?」
「パパやママに見せてあげたら?」と。

子供にとってはパパママに褒められるのが間違いなく一番嬉しいのです!

私にとってはスクールだけでやるよりも、毎日家でやった方が間違いなく上達するし、主体的に取り組んだ方が間違いなく上達することは分かっているので、それを促す声かけもします。

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