スタートダッシュはいらない

2024年4月10日 2024年4月10日

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新年度がスタートしましたね！

みなさんどうですか？

子供たちも、親御さんも、先生方も、ぼちぼち行きましょう！
最初から突っ走る必要はありません。
ゆっくりスタートしていきましょう！

マラソンと同じ

一年間は長いです。
陸上で例えるなら短距離走ではなくマラソンです。

よく小学校のマラソン大会でこんな光景を見ませんか？
低学年のレースで、スタートの合図と同時に、ダッシュをする子供たち。
でも気付くと、息が切れ、スタートの姿が嘘のようなスピードになっている。
中には、歩いたり止まってしまったりしてしまっている。

ですから、先生方は中学年以降になると「同じペースで走る」ことを学ばせます。
そしておもしろいことに、結果として記録は向上しているのです。
私も毎年中・高学年で、個々で一周ごとのラップタイムをとって走りを変えていきます。

例えば以下のようなことです。

【最初の記録】（※運動場５周の場合）
１周目：40秒
２周目：55秒
３周目：65秒
４周目：65秒
５周目：55秒
結果＝4分40秒

分析→１周目に早く走りすぎてペースダウンしてしまっている。１周目をもっとゆっくりしてもいいのではないか。

【修正後の記録】
１周目：50秒
２周目：50秒
３周目：55秒
４周目：55秒
５周目：55秒
結果＝4分25秒

あくまでも一例ですが、これだけ記録が変わります。

私はこれは人生と同じだと考えています。
いきなりスタートダッシュしてしまうと疲れてしまうのです。

でもスタートダッシュしてしまうのが人間

新しい環境で頑張ろう！
良いところを見せたい！
と思ってしまうのが多くの人でしょう。

もしかしたら、身近にいる大人が
「今日から新年度だ！しっかりやれよ！」とか
「6年生（最上級生）だぞ！」とか言って
最初から頑張らせすぎていることも多々あります。
（私も若い頃そういう教員でした…）

新しい環境でストレスも多く、不安も多いのも大きな負担となります。
だからこそ、疲れも大きいです。

ですから意図的にセーブしたり、セーブさせるような環境にしてあげたりしなければなりません。

大人も同じ

これは大人も同じです。

頑張りすぎると疲れてしまいます。
今は精神疾患が社会問題になっていますね。
先生方の精神疾患による休職・退職も増え続けています。

ただでさえ、精神的負担の大きい職で、4月はストレスも多いです。

見通しを持つことの大切さ

マラソンランナーは、ペース配分と共に、勝負どころを知っています。

私は子供たちに長距離走を指導するときに声を掛けるのが、「意外と中盤が苦しい」ということです。
全５周であれば、３周目や４周目がラップタイムが落ちやすいです。
ですからここで頑張ることでより良い記録につながります。
５周目（最終周）は意外と頑張れるものです。

では、一年間ではどうでしょう。
○周と決められていて、いつも同じコースを走るのならいいでしょう。しかし、一年間はいろいろなことがあります。
行事があったり、テストがあったり…
でも少しでも見通しを持てていると、「今は力を温存しておこう」とか、「今は頑張ろう！」とか力の出し具合が変わってきます。
いつも全力でフルスロットルでいる必要はないということです。

でも子供にとってそれは難しいです。
ですから身近にいる大人（先生）が、長い目でさりげなく調節してあげなければなりません。

身近にいる大人が目の前のことしか見れていなくて、毎日子供を頑張れせ続けると、どこかで息が切れ、止まってしまうでしょう。

それが大人（先生）の役割です。

親（先生）はできる限り長い目で見る

私はよく保護者の方に「お子様の小学校卒業式の姿を想像してから接してください」とお伝えします。
つまり「どんな中学生になっていてほしいか」ということです。
これがイメージできたら、「では、今すべきことは何か」ということです。
１年生で、２年生で、３年生で…
逆に言ったら、小学校卒業までにできればいいので、「今はここまでできていればいいか」という発想にもなります。

もちろん長ければ長い方がいいです。
ある小学生の保護者にはこんな言葉を掛けたこともあります。
「中学卒業してどうなってほしい？高校行く？それとも働く？」

「高校卒業してどうなってほしい？大学行く？それとも働く？」

それによって今すべきことが変わってきます。

先生も同じです。